熊野大社

                                               岡 公子


貴族の熊野詣


平安期に貴族達が盛んに詣でた熊野大社。

 熊野古道を汗びっしょりになって歩き続け、祓戸王子を過ぎると、
大社はやっと目前に。


          
神秘性を感じ
私たちはやっとたどり着き、俗に囲碁上達を願うはずが、
ここまで無事に歩き通せましたと達成感で感謝の祈りに変わってしまった。

 熊野大社はかっては少し離れた所に、
大斎原として大きな鳥居と二つの石の祠がある場所にあったそうだが、
明治22年の大水害で流されて現在の地に移されたそうだ。

それでも、なにごとのおわしますかは知らねども・・・・の西行法師の心境よろしく、
森に囲まれた建造物は誰にでも神秘性を感じさせる。


待てども、待てども
松尾さん、長さんと私がお参りを済ませ、
先に階段を下りて鳥居の所で待っていたが、
後続がちっとも降りて来ない。

しびれを切らしてケータイをかけると、
目と鼻の先の喫茶店で冷たいものにありついているとか。

 神秘性も現実の暑さの前にはすっかり薄れてしまった。